2016/06/24

-SUGGESTION~ANSWER2- 前回の続き




■■■■■about story

2作目は甘々なシーンから入ります。

Hの最中に真芝は何やらおねだりしています。

”同居”です。

二人の関係は時の経過につれて お互いが必要な存在となっているというのに 何故か秦野は”同居”を受け入れることができません。

それが不満な真芝は何とかウンと言わそうとHの最中に仕掛けますが 秦野は必死に”NO”です。

真芝クン相変わらず自分勝手ですし 秦野サンやっぱり頑固(笑)。



それでも真芝は元カレ井川を反面教師に大人になろうと努力します。同居のことも急ぎすぎたかと反省。

それでも元妻の部屋の前で秦野の心をくださいとお願いするシーンは切ないです。

一方秦野も迷っています。

同居はしたい。したいのだが そうなると亡くなった妻の部屋を真芝に渡すことになる…やはりそこにこだわっているようです。

大切な人の部屋を明け渡すことがイヤ というよりも いなくなってしまった大切な人の部屋を使う最愛の人が”同じようにいなくなってしまうのではないか”という恐れのような気持。

それがひっかかりの原因のようです。

妻と子供との突然の別れからようやく立ち直った秦野にしてみればそう思えてしまうことも仕方のないことなのかもしれません。

それを口にすることすら抵抗があるのかもしれません。

そんな中 秦野の働く保育園のバザー当日 園長先生にアクシデントが起きてしまい男手が足りなくなります。

そんなときには躊躇なく真芝にSOS!素直に頼る秦野サンかわいいです。

真芝クン頼り甲斐のあるところをアピールするチャンス!と 思ったかどうかは不明ですが 結果 保育園の保育士さんたちに好印象。果ては園児までがファンに。

さすがに秦野サンも穏やかではありませんがもちろん一番ホレボレしていたのは当の本人であることは言うまでもありません。

そうこうするうちにバザーも無事終了。二人で秦野の自宅に戻ります。

疲れただろうから泊まればいいよ なんて会話の後に部長から電話が入ります。

何と真芝の部屋が火事に。ボヤらしいが部屋に真芝の姿が無かったために所在を確認しているという話しです。

真芝ならここに…電話を代わった真芝は急遽自宅に戻ることになります。鎌田部長 今作唯一の見せ場終了です(笑)。

慌ただしく真芝の帰ったあとに財布が残っていることに気付きます。その直後 チャイムが鳴ります。

当然真芝が財布を取りに戻っただと思いドアを開けると 意外なことにそこにいたのは井川でした。

どうやら井川は秦野のことを調べたようです。

用件はもちろん”貴朗を返せ”

拗ねているから自分の元に戻って来ないんだ。自分のことが好きだから傷ついたんだ。当てつけで秦野と付き合っているんだ。

そんな風にすべて自分の都合ばかりで物事を考えている井川に秦野が怒りを覚えます。

”あんたに真芝は渡さない”こういうところやっぱり男前の秦野サンです。

秦野に一喝されて井川が豹変します。

”俺は悪くないんだから”と言いながら変なスプレーを秦野に嗅がせて身体を弄りだします。

真芝の名前を呼びながら助けを求める秦野に”真芝は二度とここへは来れない”と言い放ちます。

その言葉に秦野は井川が放火犯だったことに気付くのです。

そこへ真芝が戻ってきます。

”なんで死ななかったの。愛してたのに。なんで俺たちダメになるの。なんで俺の言うこと聞いてくれないの”井川の言葉はどこまでも自分自身だけの愛の言葉で誰にも届きません。

その後 真芝と井川がもみ合ううちに元妻の部屋の前で乱闘になってしまいます。

秦野の心の叫び”助けて結生子さん”が届いたのでしょうか 部屋のドアが壊れて真芝は軽傷ですみますが井川は大ケガをします。

このシーンは 変わっていく井川演じる千葉さんが素晴らしいです。

特に豹変したときの鬼気迫る井川は怖い!怖いのだけど何度も聞きたくなってしまいます。

前作でも今作でも真芝は”放してあげたいけどできない 一緒にいて欲しい”と率直に真摯に伝えます。

その言葉に秦野は自分の中にある恐ろしさを確信するのです。

独り残されることへの怯え。最初から一人であれば残されることはありません。

でも 二人になってしまったら。

真芝が自分から離れていくことがあればきっと耐えられない。

そこから目を背けていた自分をようやく認めることができたことで二人で暮らすことを受け入れることができたのです。



■■■◆◆about design

幻冬舎コミックスルチル文庫
幻冬舎コミックスルチル文庫

さて 改めて1作目の表紙と2作目の表紙を見てください。

作品と作品の間に時間が経過しているとはいえ
二人の雰囲気は随分と違っています。
1作目の真芝は悪そ~な顔してますし(笑)
秦野もトゲのある固い表情をしています。
ところが2作目では二人とも憂いはあるけれども穏やかです。
秦野に至っては真芝に身を預けてしまっています。
二人の関係の変化が端的に現れていますよね。面白いです。

イラストはやまねあやのさんです。



■■◆◆◆about impressions

この作品は 2作通じて伏線があちこちに張られているのですが それらをきちんと回収されてすっきりした気分で最後まで聞くことができます。

原作の崎谷はるひさんはBL界の巨頭です。

作品数も多ければヒット作も多い。外れが少ない稀有な作家さんです。シリーズものも多いですね。

題名を聞けば”ああ”って思う作品ばかり 鉄板です。

残念なことにまだCD化されていないものもたくさんあるので 是非 文字を追って妄想の世界に浸ってみていただきたいです

やっぱり長くなってしまいました。これでも随分と端折っているのですが。反省です。